マツダ ロードスター RFで1,000km走行時のレビュー

2017年1月10日

レビューの前提

・VS
・6MT
・マシングレー
・オプション(アルミペダル、バックモニター、フロアマット、トランクルームケース)
・MG1

エクステリア

購入の一番の動機となったデザインについては、非常に満足しています。特に、駐車場などで自分の車を見つけたときの高揚感は今もなお感じることが出来ます。ちょうど、はじめてiPhoneをみたときのように、強い好奇心と実際に触ってみたいという欲求が次々に沸いてくる気持ちになります。

客観的に見て(どこまで客観的になれているかは別として)どの国産車よりもかっこよいと思うし、クーペタイプやスポーツタイプの外国車と並んでも全く引けを取らないデザインだと思います。前から見ても、横から見ても、後ろから見ても美しい。ただ、運転中に見ることができないのが残念なところです。

カラー

「マシングレープレミアムメタリック」は前評判通り、非常によい色でした。特に水に濡れたときの艶やそれが醸し出す雰囲気が非常にセクシーです。汚れやコキズも目立ちにくく、一方で洗車後には古い皮を剥いたかのようにきちんと綺麗になるので、メンテナンスが非常に楽です。

リトラクタブルファストバック

2016年末は雨が続きましたが、小春日和の晴れた午後に車で出かける機会があったので、屋根を開けて走ってみました。開閉はディーラーでの動作テスト以来でしたが、問題なく稼動しました。信号待ちの間や、駐車場で停車してから同乗者が降りる準備をしている間など、短い時間で開け閉めできるのはやはりすばらしいと思います。何よりも「オープンカーの屋根を操作していますよー!」という、私にとっては気恥ずかしい時間が短いのは本当に助かります。

リトラクタブルファストバックについて、強いて問題をあげるとすれば、操作するスイッチの上下と屋根の動作とが感覚的に一致しないことです。これはおそらくマツダとしても議論があったところだとは推量しますが、私は設定が逆のほうが良かったです。

インテリア

グレードがVSなので、インテリアはオーバーン(赤茶、鳶色)です。歴代のロードスターではタンカラーなどが採用されていたこともあり、真っ黒よりは色がある方がいいかな、と思っての選択でしたが、今となればスポーツカーらしい黒でも良かったかも知れません。VSはアルカンターラに変更出来る箇所が少ないですが、上手く組み合わせればより質感を高めることが出来るかも知れません。

ところで、ロードスターは非常にコンパクトにつくられているため、車内は予想していた以上に狭いです。体も動かしにくいですし、ダッシュボード周りも手を入れられるスペースがほとんどと言っていいほどないので、窓を上手く拭くことが出来ません。狭い室内なので窓のクモリが発生/消失するまでの時間が短く、いつもエアコンのスイッチを調節しています。

エンジン

RFの注文直前にNDロードスター(ND5RC)を試乗してみました。その時にはNDロードスターのエンジンパワーで十分なのでは、と思っていたのですが、やはり2,000ccのRFでは力強さを感じる分、一般的なスポーツカーのイメージに近いと思いました。特に、同乗者がいるときや、荷物が多いとき、また急な坂道などでエンジンパワーの違いを感じることが多いです。信号の多い市街地での運転が多いですが、燃費はおおむね11km/L〜12km/Lといったところです。

燃費の話について補足しておくと、自宅周辺に急傾斜の坂があるため、そこでの燃費が非常に悪く、いくら高速で長距離運転したとしても平均をとるとかなり低めに引っ張られるようです。

足回り/タイヤ

足回りはかっちりとした印象で、高級車にあるようなふわふわした乗り心地ではありません。段差に乗り上げた際の突き上げもしっかりとあり、特に機械式駐車場のパレットに乗る際などによくわかります。だからといって乗り心地が悪いとか疲れるということは全くなく、一度に数百kmを運転してもまったく問題ありませんでした。ただ、普段から道路工事の跡などは避け、できる限りフラットな道路を選んで走るようにはしています。

フィーリング

ロードスターの運転感覚を表すのに用いられる「ひらひら」という感じは薄まっているように思いますが、ハンドルの動きに応じて回る、アクセルの踏み込みに応じて走る、ブレーキの踏み込みに応じて止まる、というロードスターの掟のようなものはしっかりと満たしています。

普段の生活において軽自動車やコンパクトカーは必要十分なよい車ですが、運転を楽しいものに変えてくれるのはスポーツカーの醍醐味といえます。そして法定速度内であっても十分に運転を楽しませてくれるのがロードスターである、ということでしょう。

総論

ロードスターでは「荷物が載らない……」「運転席が狭い……」「二人しか乗れない……」「高い……」「マツダの車って……」のようなデメリットが指摘されています。これらの情報を目にする度、不安にも感じていましたが、購入する段階で自分の目的をきちんと整理し、それに合致するかどうかをきちんと判断出来れば全くといっていいほど問題になりませんでした。

市街地で週に数度の送迎と仕事のための移動、郊外へ月に二、三度遠出するかどうか、という利用状況においては、非常によい車であることは間違いありません。